近くの近道 VOL.1-正しいがん情報へのアクセスのヒント-

皆さん、こんにちは。今回「みぎくりハウス」を訪れている方に、本やインターネットの情報などを紹介することになりました、スノー・マンです。

私は、中皮腫患者の家族です。妻が中皮腫に罹患したときには、まだこの「みぎくりハウス」が開設されておらず、本やネット情報を探しましたが、正しく有用な情報にたどり着くのに、非常に苦労した記憶があります。現在でも、本屋やネットを見ると怪しい情報にあふれています。

がんに関するネット動画の90%は、正しくない、または有害であるとの調査もあります。玉石混淆、いやそれ以上に、干し草の中から針を探すという状況で、皆さんも情報にアクセスするのに大変苦労されているのではないかとおもいます。

このコーナーが、みなさんの情報アクセスへの「近くの近道」になればと思います。なお掲載した情報は、私スノー・マンが厳選し、中皮腫サポートキャラバン隊が確認しております。このため有害な情報は排除されていますが、なにか問題・疑問があれば、こちらまでご連絡ください。

では、さっそく…

目次

国立がん研究センターがん情報サービス

国立がん研究センターが運営しているサイトです。がんの解説や診断・治療に関する情報など、正しく有用な情報が満載されています。中皮腫のみならず、がんと診断された当初はこのサイト以外は見なくて良いと、おっしゃるお医者様もいるほどです。 すでにご存じの方も、各種情報・資料も随時アップデートされていますので、定期的にチェックするとよいと思います。

患者さんのための肺がんガイドブック 2019年版 悪性胸膜中皮腫・肺線腫瘍含む(日本肺癌学会編集 金原出版株式会社発行)

とてもよくまとめられた患者向けの肺がん説明書で、悪性胸膜中皮腫に関する記載もあり参考になる書籍です。日本肺癌学会が編集をしており内容も信頼できますし、アマゾン等で入手できます。難を言えば情報が肺がん全体が中心で、悪性胸膜中皮腫以外の内容は一部であること、値段が税込み¥2,420-とちょっとお高めのことです。 病院に行く機会があれば、がん支援センター等の患者支援部門で確認して、置いてあれば、そこで読ませてもらうのがよいと思います。実際、私も抗がん剤治療室に置いてあるのを見つけて読みました。

肺癌診療ガイドライン 2019年版 悪性胸膜中皮腫・肺線腫瘍含む(日本肺癌学会発行)

日本肺癌学会が発行している、がん治療医のための「診療ガイドライン」です。「診療ガイドライン」とは、医療者が治療を行うときに必ず読む、治療の教科書のようなものです。一般の人もネット上で見ることができます。これを理解しておけば、治療方針・治療戦略が理解しやすくなり、主治医とのやり取りの理解も深めることができると思います。よい治療を進めるためには、主治医との相互理解が欠かせません。このガイドラインを理解しそれを主治医と共有することで、主治医との最低限の共通基盤(共通言語)を作ることができると思います。

お医者さん向けだけあって、専門用語が並んでいて若干ハードルは高いですが、質問形式での記載ですので少し頑張って読み解いていきたいですね。わからないところは、患者さん同士で勉強したり、主治医に質問したりしても良いかもしれません。

おっと、肝心なものを忘れていました (゚Д゚;)

この「みぎくりハウス」

もう一度読み直してみると、新しい発見があるかもしれません。また、アップデートを読み落としていたりしていませんか。一度チェックしてください。

<近くの近道での寄り道>

私の尊敬する、あるお医者さんの言葉です。 「人生は時間そのもの。がん患者となったということは、つらいことではあるが、その時間を意識できるという面では、人間の格が上がったといえる。その大切な時間を、がん治療だけに費やすのはもったいない。がんを考える、がんで悩むのは、一日一時間と時間を決めて、それ以外の時間は、人生を豊かにするものに使いなさい。」 ということで、がん以外の情報も「近い近道での寄り道」として、入れておきたいと思います。内容は私、スノー・マンのお気に入りの本、映画、動画等を独断で紹介させていただきます。

まず第一回目の今回は…

ご存じの方も多いかもしれませんが、日本ショートショート界の巨人、星新一! ショートショートですので、一話読むのに10分程度ですが、その10分で思ってもみなかった世界に引き込まれます。写真の作品は35年以上前のものですが、まったく古さは感じさせません。多くの作品が文庫で発行され続けており、安価に入手できるのもうれしい限りです。これまで読んだことがなかった方は騙されたと思って、昔読んだなーという方はもう一度手に取ってください。星新一の世界のとりこになること請け合いです。