念願の第一歩:中皮腫(胸膜以外)に対するニボルマブ治験を開始(兵庫医科大学病院~新たな治療の開発を目指して~)

中皮腫サポートキャラバン隊が、昨年6月から取組みました『腹膜・心膜・精巣鞘膜のオプジーボ(ニボルマブ)の使用の承認について』の署名は、8,392筆を集め、昨年11月25日に厚生労働省へ提出、厚生労働省稲津副大臣に要望書を手渡しました。

そしてついに、その念願の第一歩が始まりました。
2020年9月30日付プレスリリースにて、兵庫医科大学病院が『~新たな治療の開発を目指して~悪性中皮腫(胸膜以外)に対する医師主導型治験を開始』という題名で、オプジーボ(ニボルマブ)の腹膜・心膜・精巣鞘膜中皮腫患者への治験が始まったことを発表致しました。

兵庫医科大学病院(兵庫県西宮市、病院長:阪上 雅史)は、2020年10月1日(木)、「ONO-4538(ニボルマブ)の悪性中皮腫(胸膜を除く)を対象とした第2相医師主導治験」の治験対象者の募集を開始いたします。

悪性中皮腫は中皮細胞から発生する悪性の腫瘍(がん)で、予後の悪い疾患です。その大半はアスベスト(石綿)の曝露によって生じるとされています。
悪性中皮腫のうち、80%以上は胸膜に腫瘍ができますが、約20%は腹膜や心膜、精巣鞘膜などに発生します。今回の医師主導治験は、悪性腹膜中皮腫、悪性心膜中皮腫、悪性精巣鞘膜中皮腫など、胸膜以外の中皮腫を対象とした、新たな治療開発が目的です。

悪性胸膜中皮腫に対しては、一次治療をPC療法(※)、二次治療をニボルマブ(遺伝子組換え)で行う治療法が承認されていますが、胸膜以外の悪性中皮腫に対しては承認された治療法がなく、現在は保険適応外で悪性胸膜中皮腫に準じてPC療法を行っています。

本治験では、胸膜以外の悪性中皮腫患者を対象に、化学療法歴の有無にかかわらず、ニボルマブ(遺伝子組換え)(治験識別記号:ONO-4538、小野薬品工業)による治療法を開発するための治験を開始致します。この治験は、胸膜以外の悪性中皮腫に対しても、ニボルマブの有効性を検討しえる非常に有意義な試験です。

※ がんに対する化学療法の1種。ペメトレキセドとシスプラチンの2種類を組み合わせた併用治療。

本治験に関する患者さんのお問い合わせ先

平日(月~金) 9:30~16:00に病院代表電話までお問い合わせください。

兵庫医科大学病院 代表
0798-45-6111

引用元:兵庫医科大学広報『~新たな治療の開発を目指して~悪性中皮腫(胸膜以外)に対する医師主導型治験を開始』

これも、多くの方々がご協力をいただき、署名をお寄せいただいた成果でもあり、我々患者の誠意を理解していただき動いてくださった兵庫医科大学病院の先生方や他関係各所の皆さまのご尽力によるものだと、この場をお借りいたしまして皆様には感謝申し上げます。

この治験はあくまで承認への第1歩です。この治験が上手く奏功し、使用承認されることを願うばかりです。そのためにも、今後早期に被験者数が目標を達成するように中皮腫サポートキャラバン隊としても、協力を惜しみません。

また、患者の協力あっての治験ですので、ご関心をお持ちの中皮腫(胸膜以外)患者さんは、兵庫医科大学病院の方へ直接お問合せ下さい。

早期承認のために、皆さまのご協力の程よろしくお願い致します。
中皮腫サポートキャラバン隊
共同代表 右田孝雄