中皮腫患者のその殆んどの方が最初そう言われたことでしょう。そして、「中皮腫?」と一体どんな病気だと医師に聞くのが精一杯です。中には、「がん」とはなっていない病名に悪性ではないと勘違いし、楽観視する方も少なくないかもしれません。そして医師から予後が悪いことを聞かされて、医師の言われるがままに治療をされたり、慌ててネットで調べることになった方は多いと思います。
しかし、ネットで調べても何をどうすればいいと教えてくれるようなサイトに行き着くことはないでしょう。どちらかといえば、中皮腫については「予後が悪い・平均余命18ヶ月」などというバッドニュースだけが目立ちます。
一体この先どうすればいいのか途方に暮れる方も多かったと思います。そんな方を少しでも迷うことなく中皮腫患者として正しい方向に向かえる手助けをしたいと思います。
まず、最初にしなければいけないことは二つあります。
一つは、中皮腫の治療方法の選択です。原発部位や進行具合によって手術、抗がん剤などの治療が可能です。早期発見の場合は手術も可能ですが、ステージが進むにつれ治療の選択肢も狭まります。まず、確定診断を受けた医師に自分がどの治療法の選択肢があるのか聞く必要があります。もしその選択肢の中に患者本人の希望に沿うような治療法がなかったり、医師が言う治療法に納得いかなかった場合は、セカンドオピニオンという別の病院で再度治療法の相談ができる方法もあります。そして早急に治療に取り掛かることが大切でしょう。
中皮腫は希少がんですので、経験豊富な医療機関は少ないのが現状ですので、治療やセカンドピニオンを受けるときには次のページも参考にしてみてください。
中皮腫に対する診療実績がある医療機関や医療機関検索サイトへのリンクページ
もう一つは、社会保障です。中皮腫のほぼ殆んどがアスベストが原因とされており、労働災害認定の申請、あるいは石綿健康被害救済法による救済認定の申請ができます。
中皮腫は20~40年以上前にアスベストをばく露するため、患者本人の記憶をたどることも必要となります。労働災害は労働中にアスベストにばく露した記憶を過去にさかのぼって調べるなどしながら労働基準監督署に申請する必要があります。また労働中にはアスベストとの関連が思い当たることのない、たとえば石綿工場の近くに住んでいたり(環境ばく露)、親が石綿に関連する仕事に就いていたり(家族ばく露)といった可能性しかない方は、環境再生保全機構へ石綿健康被害救済法による救済給付の申請をする必要があります。このどちらかを申請することによって、認定されれば治療費が無償になり、認定の種類によってその補償を受けることができます。
ここで大事なことは、中皮腫であることが正しく診断されていれば、労災補償か救済給付のどちらかを必ず受けられるということです。
中皮腫の方は、こうした「中皮腫の治療の選択」、「社会保障の申請」を早急に進めることがまず大切といえます。これらについて分からないことはこの「みぎくりハウス」で十分調べていただいて速やかな治療と認定に繋がれば幸いです。
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